「昨日は日本酒を飲んだから、今日は二日酔いがひどいよ」とか「日本酒を飲むとどうしても二日酔いになるよね」などと聞いたり、言ったりしていませんか?
本来、同量のアルコールは同じ時間で分解されるはずですから、二日酔いも悪酔いもお酒の種類には関係がないはずです。
ですが、最初に言ったような、日本酒に関する半ば都市伝説のような説がまかり通っています。
なぜでしょう?
二日酔いになるのはなぜ?
二日酔いの原因の一つが、アルコール摂取による脱水症状です。
アルコール分解のためには大量の水が必要なうえに、アルコールには利尿作用があり、脱水症状が促進されます。
人間は、脱水症状を起こすと、吐き気、頭痛など、まさに二日酔いのあの症状が出ます。
もう一つの原因は、肝臓でアルコールを分解するときに出るアセトアルデヒドです。
これは有害で血管を膨張させて吐き気や頭痛を引き起こします。
過度な飲酒で肝臓の働きが追い付かなくなり、アセトアルデヒドが体内に長居するので引き起こされる症状です。
他には、飲みすぎによる低血糖症、過剰な胃酸分泌なども考えられます。
冷酒と燗酒、どちらが二日酔いにならない?
答えは、燗酒の方が二日酔いになりにくいです。
温かくした燗酒は体内で早く吸収され、酔いが早く回ります。
一方、冷酒は、口当たりがよくグビグビ飲めます。
また冷たい分、吸収も遅く、酔いを感じるよりも先に、飲みすぎてしまいます。
特に、「生原酒」はアルコール度数が17~20%と一般的なものより高いうえに、口当たりもよいので、酔うスピードよりも速いペースで飲みすぎてしまいます。
このような理由で、日本酒、なかでも冷酒は「翌日まで残ってしまう」というイメージにつながりました。
冷酒はもとより、燗酒も自分の適量を知り、自分のペースで飲むことが二日酔い予防になります。
二日酔い解消法
二日酔いになってしまったら、水分を多く摂ることが大切です。
体も水分を求めていて、ものすごく喉が渇いた感じがしたことがあると思います。
一時も早く、アルコールを分解し、尿として出しましょう。
飲み物は冷たいものより常温がいいです。
ビタミンCやクエン酸が効果があるので、トマトや果物を摂りましょう。
ウコンに含まれるクルクミンはアセトアルデヒドの分解を促進します。
しじみのオルニチンは、アンモニアの解毒、肝機能の保護に役立ちます。
シジミの味噌汁を摂るといいでしょう。
食欲が出れば、まずは消化の良いものから始めましょう。
何はともあれ、二日酔いにならないよう、適量を守って楽しいお酒をお飲みください。